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よく言うよ、という感じです。 [家・DIY・修理]

ヤフオクを見ていたら、チェロの駒を作成する道具類を出品している人がいました。私は駒の自作経験があるのでわかりますが、「そんなものいるの?」というものばかり揃っていました。5000円スタートで即決16000円を希望しているようですが、誰も入札しないと思います。説明欄を読むと、自分で試しに作ってみたけれども、今後は作る予定がないので出品したという主旨が伝わってくる文章でした。

その出品者によると、魂柱立ては素人には困難だとも書いてありました。楽器職人さんのホームページにもそう書いてありますし、バイオリンの先生もなにかトラブルがあったらすぐに楽器職人さんに見てもらうようにと言いますが、日常で起きるトラブルであればだいたいのことは自分で修理できるものです。

楽器職人は自分たちの仕事を奪われるから、素人が手を出してはいけないとか偉そうなことを言っていますが、実は大したことではないのです。もちろん、楽器を木材の状態から作り上げたり、修復する技術は称賛に値しますが、魂柱立てや位置の調整くらいのことは道具さえあれば誰でもできます。駒を作るのだって、失敗はあるかもしれませんが、何度か作ってみれば、なんとか使えるようなものができあがるものです。

「難しい。難しい」と楽器職人が洗脳しているから、素人が手を出さないだけです。カバン職人が同じことを言っていたも、素人には手を出せない世界だとは思わないでしょう。ある程度修行をすればできると思うはずです。パソコンやスマホの修理も同じです。素人には無理だとプロが言うから、自分には修理できないと信じているだけでしょう。そのプロだって、もともとは素人ですよ。よく言うよ、という感じです。

毛替えだってそうです。楽器職人の店のウェブページを見ると、弓の毛替えは、「弓の価格が2万円以上のものではないと受け付けません」だのと偉そうなことを書いているところがあります。ふざけるな、と言いたいくらいです。そうなると、毛が古くなるたびに、アマゾンで3000円から1万円くらいの安物の弓を買うことになり、どんどん弓が溜まっていくことになります。もったいないじゃないですか。環境にも悪いです。だったら、自分で毛替えをするしかないでしょう。

毛替えもやろうと思えば素人でもできないことはありません。道具さえあれば、曲がりなりにも使える弓ができあがります。その道具もホームセンターや100円ショップで間に合います。毛替えは楽器職人の主な収入源ですから、それを奪われたくないというのはわかりますが、そこまで難しい作業であるとは思えません。

クルマの修理に関しても同じです。ブレーキ関係はプロに任せろとか言う人もいますが、私は自分でやっています。エンジンのオーバーホールはさすがにエンジンを吊り上げるような道具もスペースもないので、それはできません。もちろん誰にだって限界はありますよ。でも、自分の限界値は他人が言うほど低くもないというのは事実です。

世の中には、自分の利権を守ったり、自分の能力の高さを証明したいがために、他人の限界値を下げることに腐心する人がたくさんいます。うんざりします。中学生や高校生にはテスト前に「いやあ、俺、ぜんぜん勉強してないんだ」と言うやつがいると思いますが、あれは他人を油断させて、出し抜こうという汚い手段です。実のところ、彼らは必死に勉強しているのです。中高生と同じことを、大人たちは繰り返しているのです。自分の能力の低さを証明したくないがために、他人の能力を下げようとするのです。そんなことばかりしていると、世界はますます、退屈で、楽しみのないところになってしまいます。もういい加減にしてほしいですよ。迷惑でしかありません。





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