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募金する? 課金する? 代替エネルギー [雑感・日記・趣味・カルチャー]

不安がある人も、裕福な人も「チャリティー番組」批判したくなる? 「偽善」論争が盛り上がる心理(J-CASTニュース) - Yahoo!ニュース

ここには偽善だとか搾取だとか再分配への抵抗だとかごちゃごちゃと書かれていますが、視聴者はそんな難しいことを考えているのか私にはわかりません。私は番組が始まった第1回目を子供の頃に少し見ただけで、障害者を見世物にして涙を誘う、日本的と言うか、湿っぽい演出にうんざりしてしまって、その後一度も見たことがないのでわかりません。家族の前で涙を流しているところを見せたくないのです。

それでも、誰だったかのマラソンのゴールのところはワイドショーで見たことがあります。それも途中クルマに乗って移動していることは誰でも知っていることなので、偽善と言うか、日テレ総動員の詐欺だと思っています。NHKの夕方のニュース情報番組の」「STOP!詐欺被害」のコーナーで取り上げてほしいくらいです。

冗談はさておき、それよりも議論すべきことは、24時間出演者やスタッフを寝かさないで働かせることの労働基準法的な問題点と、寝ないで頑張ることを称えるような昭和的な風潮のほうです。ブラック企業が日本から絶えないのは24時間テレビがあるからでしょう。

ついでにいうと、24時間だと、気づいたら終わっている事が多いので(今年もそうでした!)、どうせなら24日間連続テレビでにしてもいいと思います。スタッフや出演者を24日間ぶっ通しで寝かさないほうが、あまりの過酷さに同情して、寄付金が24倍に増えるかもしれません。

ところで、「募金する」という言葉は、国語辞典には「寄付金を募る」という定義しか書いてありません。これはお金を集める側の表現です。募金の趣旨に賛同して寄付をする場合は、「寄付する」と表現すべきでしょう。個人的には「浄財を喜捨する」という表現が好きです。きれいなお金を困っている人や組織に無償で差し出すといういい言葉があるのですよ。硬い言葉だから使わないという手はありません。

同じことが「課金」にも当てはまります。何かのサービスを利用したことの対価としてお金を課すのですから、これはサービス提供側の表現です。サービスを利用する側が「課金する」というのは、そのゲーム会社にお金を請求することになります。それを言うなら「課金を払う」でしょうが。英語でも、pay the chargesと表現します。chargeは課金するという意味の動詞です。そんなへんてこな日本語を使っていると、英語の授業でchargeを課金を払うと訳しかねません。「GoToトラベル」を英語だと思っている学生もいるくらいなので、こういう言葉の破壊は危険です。

私は「募金」の用法も「課金」の用法もともに間違っているので、使うべきではないと考えますが、それらを新しい用法だとして受け入れる国語学者もおられるようです。日本語の豊かさでもあり、代替表現のない貧しさでもありますね。

思い出しましたが、代替を「だいたい」と読まずに、「だいがえ」という不思議な読み方をする人が増えました。化石燃料によって生み出された再生可能エネルギー(renewable energy)のことを「代替エネルギー(alternative energy)」と言いますが、これも彼らは「だいがえエネルギー」と読むのでしょうか。そうそう、代替エネルギーや再生可能エネルギーに「原子力発電」が含まれるかどうかという問題がありますが、含めるのは日本だけで、世界的には原子力発電は自然エネルギーに代替されるべきエネルギーと捉えられています。

次の総理が菅さんになろうが、岸田さんになろうが、石破さんになろうが、政権交代がなければ、原発は続くようです。