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エルガーの「威風堂々」 [音楽・楽器]



Pompは"(formal) all the impressive clothes, decorations, music etc that are traditional for an important official or public ceremony"ということですから、豪華さを示し、Circumstanceは状況という意味ではなく、儀式張ったものものしさを表すとのことです。それゆえ、「威風堂々」という和訳になっているわけです。

これを演奏するのは簡単です。弾いているだけで気分が良くなります。

この曲を聞くといつもイギリス映画の『ブラス!』(1996年)のラストシーンを思い出します。有名な俳優としてはユアン・マクレガーが出ている作品ですが、ブラスバンドの指揮者を演じるピート・ポスルスウェイトが味を出していました。さっき知ったのですが、彼はすでに2011年に膵臓がんで亡くなっていたんですね。

『ブラス!』は、競争原理を強化してイギリスの庶民の生活を破壊したマーガレット・サッチャーの政権に対する痛烈な批判になっている作品です。現在の安倍政権下の日本の状況にも似ているので、共感できると思います。

この曲を聴くと気分が高まるのが普通なのでしょう。しかし実は歌詞の内容は、わが大英帝国は永遠に領土を拡大し、栄え続けるというものであって、それを知ると、複雑な気分になります。イギリスは今月末にEUから離脱することが決定しており、その後はおそらく没落の一途でしょうし、帝国主義バンザイという時代でもないですし。

そうそう、映画の原題はBrassed Offです。もちろん管弦楽器のブラスの意味も込められていますが、Brassed Offは口語で、annoyed= fed up(うんざりした)という意味です。イギリスらしい風刺のきいたタイトルになっています。



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