SSブログ

ジュゼッペ・トルナトーレ監督『ニュー・シネマ・パラダイス』(1989年) [映画]

ニュー・シネマ・パラダイス - Wikipedia

この作品を見るのは2回目です。言うまでもないですが、名作です。私が観たのは劇場版であって、完全版ではありません。

映画監督として成功した初老の男(トト)が、若い頃に多大な影響を受けた映写技師(アルフレード)の死を知らされ、彼の葬式に出るために、アルフレードの教えを守って30年間帰らなかった故郷を再訪するという物語です。とはいえ、映画の大部分は、故郷での経験の回想シーンになっています。

映画好きなら、映画愛に満ちたこの作品に感涙すること間違いなしですし、エンリオ・モリコーネの音楽も素晴らしいです。ラストシーンも圧巻です。帰郷した際にトトがアルフレードの娘からもらったフィルムを見ると、アルフレードが教区の神父にカットを命じられた映画のキスシーンばかりを寄せ集めたものだったというものですが、よくわかりませんが、涙が出ました。

以下、断片的に残しておいたスクリーンショットを掲載しておきます。

th_スクリーンショット 2021-04-06 22.53.22.jpg


th_スクリーンショット 2021-04-07 16.56.09.jpg

「ニュー・シネマ・パラダイス」は映画館の名前です。その前にあった映画館は「シネマ・パラダイス」です。「シネマ・パラダイス」のほうはアルフレードの不注意で火事で焼けてしまいます。アルフレードは火事の中、トトに助け出されるのですが、それが原因で失明してしまうのです。火事の原因は、1950年代までに使われていた自然発火しやすい「ナイトレートフィルム」です。当時はそれによってしばしば火災が発生し、多大なる犠牲者を出していたそうです。よく知られた話ですけどね。

th_スクリーンショット 2021-04-07 16.56.37.jpg

th_スクリーンショット 2021-04-07 17.39.22.jpg

th_スクリーンショット 2021-04-07 17.39.53.jpg

th_スクリーンショット 2021-04-07 17.39.59.jpg

th_スクリーンショット 2021-04-07 17.41.43.jpg

th_スクリーンショット 2021-04-07 17.45.11.jpg

思い出の品がすべて母親の手によって保管されていたことに感動するトト。

th_スクリーンショット 2021-04-07 17.52.10.jpg

これが30年後のニュー・シネマ・パラダイスの惨状です。

th_スクリーンショット 2021-04-07 17.54.26.jpg

この映画は過去を振り返って、現在を新たな光で捉え直す作品です。過去と現在の対比がテーマになっています。

奇しくも、私も初老のトトと同じくらいの年齢になってしまいました。来し方行く末を思い巡らすにはちょうどよい年齢だと思っています。自分がどんな足跡を付けてきたのかを確認するために、かつて観た映画を見直すミッションを実行しています。不確定な未来ばかり見ていては不安になるだけですし、未来志向は必ずしもポジティブ思考とは言えないということにうっかり気づいてしまったのです。



共通テーマ:映画