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【日本昔ばなし】 出口がない [コンピュータ・ネット・テレビ]



「出口がない」というタイトルに惹かれて見てみました。

ふだんコメント欄をあまり見ないのですが、自分と同じ解釈の人はいるのかなと思って覗くと、自分勝手な亭主を非難する意見が多数書き込まれていて驚きました。主流派のようです。

私は、この物語の解釈としては、その考えは大きくズレていると思います。

むしろ、結婚しても、美しさを保つことや、色気を漂わせておくことは大事だよ、女を捨ててはいけないよ、と解釈すべきだと思います。人生は仕事だけで構成されているわけではないんですよ。

働くだけが能じゃない。食っていくために、泥だらけになって、朝から晩まで働くから偉いわけではないいでしょう。人生を楽しむことを忘れたら、人間は終わりだよという教えだと私は受け取りました。

物語は、働き者だった亭主が、一晩の宿を求めた旅芸人の妖艶な女に恋をしてしまうところから始まります。妻は健気に働くのは良いのですが、身なりを気にしません。そんな妻に幻滅し、亭主は妻を追い出そうとします。ところが、妻が家を出る前に風呂に入って体をきれいにし、化粧をし、身なりを整えます。その姿を見て、亭主は妻に惚れ直し、「出ていくな。そこは俺の家の出口だ。出口を使うな」と命令し、妻を引き止め、愛する気持ちを伝えるのです。

そんな亭主を、キャバクラに通い詰めるサラリーマンの夫に見立てて批判する気持ちはわからないではないですが、この物語の趣旨は違うはずです。亭主を自分勝手だと批判する人たちは、勤勉は美徳だという、日本の学校の「道徳」の授業に洗脳されているのだと思います。「ワイドショー」的な子供っぽい解釈しかできず、他者を非難する人たちばかりになってしまったからこそ、相互監視社会みたいなブラックな社会が出来上がってしまったわけですよ。その考え方はあまりに危険です。

我々は奴隷の暮らしから抜け出して、もっと楽しく楽に暮らせる社会を目指すべきではないでしょうか。「アリとキリギリス」の話は、本来、キリギリスがかわいそうだという話です。アリは偉いという話ではないのです。アリは冷たいと批判する話です。

「出口がない」というのは、一見すると閉塞的なタイトルですから、まるで亭主が妻を自分の所有物のように自分勝手に閉じ込めるという印象を与えますが、むしろ、人生を楽しむべきという考え方に変わってしまったら、そこから出ていく必要がないという意味ではないでしょうか。仕事だけが人生だという奴隷精神に戻らなくていいんだよ、ということですよ。

「車を持つこと」が貧富の差を拡大しているとする10の不公平な事柄 - GIGAZINE

今の政治家と官僚の作る税制は、すべて富裕層を優遇するものになっています。武田邦彦さんが日頃言っているように、環境に優しいエコカーなるもの(ハイブリッドカーや電気自動車や水素自動車)は、高額ですが、国から補助金が出ても、そんなクルマを買えるのは金持ちだけです。その補助に使われる税金は、庶民の支払う税金から来ています。環境に優しいと言われていることに貢献すればするほど、貧乏人は貧乏になり、金持ちは金持ちになり、経済格差が広がっていくのです。だいたいエコカーなんて、本当は、環境にはやさしくなく、ほんとうにやさしくするためには、効率の良い内燃機関のシンプルなクルマを長く乗ることです。お馬鹿な日本人には、もはや出口はなさそうです。



こういう悪徳商人に立ち向かい、命をかけて庶民の味方をする坊主はぜったいに必要です。




字幕無しで見たのですが、私が聞き取れたのは、「新年会」と「忘年会」という言葉だけでした。コメント欄では違う部分が聞き取れたと書いている人もいましたが、私には何の話をしているのかまったくわかりません。だからといって、方言を馬鹿にしているわけではありません。

実は、よく見れば、日本というところは本来、多様性に富むところなんだということです。それに改めて気づかせてくれる素晴らしい動画です。ただ、近頃はどこへ行っても、日本中が金太郎飴みたいになってきているからつまらない国になりましたね。


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