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読解力とは [資格・学び]

漫画!東大生が「文章を速く正確に読める」ワケ | リーダーシップ・教養・資格・スキル | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

読解力というのは、構造を見抜き、キーワードを見つけ、要約することができる能力のことです。私もふだんその意味での読解力を育成する授業を行っています。

学生の読解力を養成するためには、まず他人の書いた文章を読んで、構造を捉え、キーワードを抜き出し、要約します。その上で、コメントをするのです。客観的な事実の上に主観(解釈)を乗せるのです。その延長線上に、エッセイや論文があるわけです。

それがある程度出来るようになったら、テーマに即した文章を書いてもらいます。そうして出来上がった文章の中からキーワードを見つけさせ、そのキーワードを使ってスライドを作らせて、最後にプレゼンをしてもらうのです。それが半期分のセットです。こういう訓練をするのが、私の英語の授業です。

毎年驚かされるのは、学生の中に、自分で書いた文章の中からキーワードを見つけることができなかったり、何度も何度も構造を意識させる訓練を積んでも、構造を理解できない者がいることです。また、文章を読む際に、書き手の立場、書き手がどういう読者を想定しているか、文章の表の目的と裏の目的を考えさせるのですが、優秀な学生たち以外は、相当に手こずるのです。彼らは高校までの国語の時間の中で、何を学んできたのでしょうね。もしかしたら、彼らは漢字の書き取りだけ勉強していたのかもしれません。

文章を読み書きする上で、何に気をつければ良いのか意識できるようになることが重要です。文章を正確に読んで、正しく伝わるように書く能力の土台となるのが読解力です。それこそがまさに、言語活動において枢要な部分です。「コミュニケーション能力」という定義があいまいな能力の育成も大切ですが、それよりもはるかに重要なのは読解力を身につけることです。他人の言っていることを正確に理解できない人は、他者とのコミュニケーションが円滑に進みません。世の中には、他人の言った言葉を文字通り受け取る人がいます。冗談を冗談と思わなかったり、皮肉を言っても皮肉と受け取ってもらえなかったり。それも読解力のなさが原因なのでしょう。完全にコミュニケーションに支障を来しています。昨今、「コミュニケーション能力」の重要性が語られることが多くなりましたが、読解力の観点から、その考えを大いに見直す必要があると私は思います。