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「ダム翼賛論」は間違い [雑感・日記・趣味・カルチャー]

被害収まらぬ中飛び交う「ダム翼賛論」が間違いである理由 | ハーバー・ビジネス・オンライン

ダム万能説は誤りであり、ダム建設賛成派が盛んに吹聴しているデマである可能性もあります。(ダム建設で環境を破壊すると儲かる人たちがいるわけですし、そんなにダムが万能なら日本中の谷をダムにすればいいではないですか。)ろくに科学的な検証もせずに、イメージだけでダムの効果を語り、返す刀で民主党政権の事業仕分けや元長野県知事を務めた田中康夫の「脱ダム宣言」を批判をすることは直ちに止めるべきです。

こういう姿勢は、官僚支配を永続化することに繋がります。

安倍政権は、10月に財政再建と社会保障を謳いながら消費税増税を敢行しました。しかしながら、増税によって得られる歳入分以上の金額を、ほぼポイント還元に当てています。8%から10%への消費税増税によっても、負担増があまり感じられないようにしておいて、知らないうちにさらに消費税を上げようという財務省の魂胆がミエミエです。10%から20%へ上昇するのは、そう遠くはないかもしれません。

自民党のようなポリシーのない政権では、日本人の生活が良くなるわけがないのです。不要かつ効果がない事業は、官僚の反対を押し切って、ばっさり切ってしまうくらいの政権ではないと、今以上に官僚の都合の良い政治が行われてしまいます。自民党には、官僚を抑え込めるほどの知性を持った専門家としての政治家が必要です。彼らは持ち回りで財務大臣をやったり、環境大臣をやったり、防衛大臣をやったりしているだけの素人集団ですからね。そんな素人政治家ばかりが政権を担うような国は、先進国と呼ぶに値しません。

日本の総理大臣は、大臣たちの取りまとめの機能を果たすだけの存在なので、基本的にはバカでもいいんでしょうけど、大臣には専門家を当てるべきです。明らかに「適材適所」には反する人選です。

ダムはいずれ土砂が堆積して貯められる水の量も減っていき最後には使えなくなります。ダムを破壊しないといけない時代が来ます。サステイナブルな装置ではありません。持続可能な社会を目指すなら、ダム以外の方法を考えなければいけないのですが、SNSやマスメディアは単細胞たちが跋扈し、またぞろ昔の自民党的土建政治を永続化するようなことをしています。非常に危険です。

洪水の根本的な原因の一つは、地球温暖化による巨大な台風の発生です。もう一つは、日本の森林の劣化です。ブナやミズナラなどの保水能力の高い木を伐採し、保水能力のほとんどないスギやヒノキの人工林ばかりにしてしまった上に、その木材をほとんど利用せず、放置しているような林業の政策です。そちらも完全に改めなければいけません。

ダムも一時的には効果があるのでしょうが、水を無限に貯められるわけではありませんから、大雨の降る前に貯水量を減らすために下流に水を流さなければいけません。そのタイミングを誤れば、下流地域を洪水で苦しませることにもなりますし、逆に渇水を引き起こすこともあります。渇水のほうが頻繁に起きているように思われますが。

さらに、洪水が発生しやすい危険な場所に、家を建てることを許可し、国民の生活を守ろうとしない政治も批判されるべきです。もちろん、批判されるべきでは、自民党を操る官僚たちですが。

今回の台風19号の被害を軽減したように思われる八ッ場ダムの貯水能力を称賛するのも良いのですが、一方で、ダムに起因する問題や、他の原因も考えるような姿勢も必要です。さもなければ、日本の庶民はいつまでも腹黒い官僚たちの餌食になり、ますます生活が貧しくなり、さまざまな不安にさいなまれ続けるでしょう。そっちの道を選びたいマゾヒスティックな人は「八ッ場ダムはすごい!」と馬鹿の一つ覚えのように言い続けてください。