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学んで思わざれば則ち罔(くら)し、思うて学ばざれば則ち殆(あや)うし [資格・学び]

授業中、不良学生に出くわすたびに、次のような話をしています。

「学ぶということはね、教師の話をよく聞いて、それを自分の言葉に『翻訳』して理解し、それに自分の考えを加えから、外に吐き出し、その考えを社会に広め、よりよい社会になるように貢献することですよ。君たちは、先生の話にいっさい耳を傾けず、自分の考えと思い込みだけで、すべてを間に合わせようとしていますが、それは学ぶ姿勢とは言えません。学生というのは、学ぶ人のことですから、君(たち)は、学ぶふりをしたただの詐欺師です。

教科書に書かれた単語や用語や年号を丸暗記しておいて、テストの際に、それを正確に書き写すという作業を勉強だと思っている人が大多数なようですが、残念ながら、大学ではそんなことはできて当たり前というところからスタートします。ですから、物事を忠実に覚えることは評価対象になりません。授業の内容を腑に落ちるように咀嚼し、自分の頭と口を使って、他者に広める準備ができているかどうかを評価するのが大学教育です。そういう認識がない人は、そもそも大学で学ぶ資格はありません。」

馬鹿が服を着て歩いているような学生相手の仕事にうんざりしながら夜遅く帰ってきた私は、中3の次男に愚痴をこぼしました。「孔子も同じようなことを言っているよ。学んで思わざれば則ち罔(くら)し、思うて学ばざれば則ち殆(あや)うし、だっけ?」と返ってきました。

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この言葉は、学んでも考えなければ、〔ものごとは〕はっきりしない。考えても学ばなければ、〔独断におちいって〕危険であるという意味です。「為政第二:15章」にあるそうです。

私と同じようなことを孔子も言ってたんだと思って、背筋を正しました。もちろんは、私もその言葉は知っていました。しかし、自分の考えと、孔子の言葉を結びつけて考えることはいままでありませんでした。即座に、「さすが、教養あるねえ」と息子を褒めてやりました。「いやあ、今日授業で習ったばかりなんで」と照れくさそうに、息子は頭をかいて答えました。ちゃんと先生の話を聞いて、その言葉を覚えていたんだから、褒められる資格はあります。

話はずれますが、暴力(武力)こそがものを言う時代に、人民を動かし、一致団結させ、社会を良くしていくためには知恵こそが必要なのだと言って、バカにされていたのが孔子です。しかし、後の時代に、孔子が思想こそが正しいと評価され、政治の取り入れられていったそうです。いまだに孔子は存在価値を失っていないと私には思われます。儒教精神は再評価されるべきです。現代は、法律とお金が支配する社会ですが、いま一度、教養や理念を重んじる社会に戻らないと、我々の地球はどんどん腐っていくでしょう。

私にやれることは大学生の教育だけですが、私一人だけでは明らかに力不足です。大学生は教養の価値を理解しているはずですが、しかし、近頃の大学生は授業をスマホでゲームをしたりLINEで友達とメッセージのやり取りをする時間だと思っているのです。大学生がこのありさまですから、一般市民のレベルがどれだけ低いか一目瞭然です。テレビの情報番組を見れば、民衆の愚劣さがわかります。年々、社会の暗黒の度合いが強くなっていっているのは間違いありません。いったい私たちはどうすればいいのでしょうか。

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