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内需産業の不振は大企業の「自己責任」 [雑感・日記・趣味・カルチャー]

常連客が大幅減"大戸屋ランチ廃止"の衝撃(プレジデントオンライン) - Yahoo!ニュース

この記事の内容はランチの値上げとバイトテロで客離れが起きているというもの。過日、HOTTOMOTTOを運営しているプレナスも赤字になったというニュースや、いきなりステーキの業績不振のニュースがあったと記憶しているが、大戸屋の苦境も外食産業全体と歩調を合わせているように思える。これは大戸屋だけの問題ではなく、日本経済全体の問題である。

外食産業を含むサービス産業全体が苦境に立たされている原因はほぼすべて政府の政策にある。これまで政府が取ってきた政策の副作用が生じているのだ。

大戸屋のメニューの値上げは原材料の高騰を受けたものだから、企業側の責任ではない。バイトテロは、給料が安いわりに仕事がきついことでフラストレーションがアルバイトの従業員に溜まっているせいであり、企業側が従業員教育に失敗したと断じるわけにはいかない。もちろん、バイトテロの責任の一部は企業にあるのは間違いないが、しかし、責任のほとんどは、こういう経済状況を作った政府にある。

安倍政権の経済政策は、要約すると、大企業の法人税を下げることで企業業績が上がったように見せかける作戦だった。同時に、政府は我々の年金資金を株式市場に投入し、株価上昇を演出してきた。莫大な資金を使って株式を購入するのだから、株価は容易に上げることができる。株価が上がれば、民主党政権時代ではなく、麻生政権時代にどん底まで行った日本経済が回復したかのように見えるわけだ。しかし、実際のところ、大企業を除き、業績不振の中小企業の従業員の賃金はほとんど上がっていないし、実際、増税や社会保障費の上昇を受けて一般の労働者の可処分所得が大幅に減っている。その分、消費が減るのは当然のことだ。消費税を5%から8%に上げたことが完全に失敗だったと、安倍政権に忖度する経済評論家以外はみな認識しているはず。この消費税の増税がなかったら、アベノミクスはより効果があったのかもしれない。今年10月に予定されている消費税の増税は、ある意味、アベノミクスが成功したと言いたいがために、無理やり行われるのではないかと勘ぐりたくなる。

アベノミクスの目標は、まず大企業を儲けさせ、その恩恵を下々の者にまで行き渡らせることだった。ところが、大企業は、法人税を支払わなくて済んだ分の儲けを内部留保に回し、それを使って自社株買いをしている。それは海外の企業に買収されないようにするための戦略であるから、一定程度認めざるを得ない。しかし、株式投資で儲かるのは、一部の富裕層だけである。結局、アベノミクスは、富裕層をより豊かにし、一般庶民をより貧乏にしたというものであった。それが回り回って、内需を主軸とする企業の業績不振につながっているのである。「強欲資本主義」を促進する安倍政権を支持したのは大企業であるから自業自得である。まさに「自己責任」だ。まともな脳みそを持っている大企業の経営者は、自分たちを持ち上げておいて、地獄に突き落とした安倍政権に反旗を翻さなければいけない。しかし、日本企業の経営者は、コバンサメの脳ミソしか持たないので、それすらできないのだ。

増税や年金資金の不足などの将来不安によって、今後よりいっそう庶民の消費意欲が失われていくことは間違いない。もういいかげん、裸の王様である安倍晋三をボスザルの地位から引きずり降ろさなければいけない。ものには潮時というものがある。教養ある人たちはその潮時がとっくの昔に過ぎ去ってしまっていることを認識しており、すでに与党の支持者などほとんどいないはずなのだが、残念ながら、野党がバラバラであるせいで、極悪非道の政権を潰すことができないでいる。我々のもどかしい思いをすくい上げてくれるのは、いまはまだ「れいわ新選組」を立ち上げた山本太郎と幸福実現党だけである。立憲民主党は、憲法を守れというような小賢しいことを言っている限り、大多数の庶民の支持は得られないだろう。