SSブログ

中田敦彦氏を攻撃する薄汚い(典型的な)手口 [雑感・日記・趣味・カルチャー]

「責任持った発信が大事」と話す中田敦彦がYouTubeでフェイクを流す問題点(dragoner) - 個人 - Yahoo!ニュース

中田敦彦氏が間違った部分を指摘するのは良いのですが、一部を取り上げて彼の試みを全否定するようなことをdragoner氏が言うのは根本的に間違っていると思います。昨年、大学の授業アンケートで、私のごく一部を取り上げて、私の存在を否定しようとした学生がいたのですが、あの薄汚い手口を思い出しました。

私は好んで中田さんの動画を見ていますけど、私みたいな歴史や政治の門外漢には中田さんの授業の中からフェイクな部分を取り出すことはできません。その史実が正しいかどうかは、専門家でも意見が分かれるところもありますから、それをすべて勉強してからではないと授業ができないとか、いっさい発信すべきではないなどと言い出すと、自分の考えを人前で話すことを不可能にさせますし、そもそも「言論の自由」の侵害にもなります。dragonerさんみたいな指摘も大事ですが、同時に、彼には他人の権利を抑圧する権利はないことも認識すべきです。

客観的な事実を語ることは重要です。しかし、どんなに客観的な事実に迫ろうとしても、客観的な見方というものは、残された資料と、複数の個人の解釈(主観)の集積から導き出された、現時点での支配的な「意見」なのですから、「これこそが不変の事実です」ということ自体が、主観的になるくらい、客観的にものを語ることは難しいのです。そのことを「事実」と認定する人物も資料もその解釈も時代とともに変わっていくのですから。

dragoner氏の手口は、ごく一部の瑕疵を取り上げて、その人の存在そのものを否定しようとする行為に思えます。危険なのは、dragoner氏の方ではないでしょうか。


大学進学率 [資格・学び]

大学や短期大学への進学率の推移は?男女や現役、浪人での数字はどうなっている?

我々の世代の頃は大学進学率は30%台でしたが、今は60%近くになっています。しかし、他の先進国と比べると低いです。

大学は“お金持ち”だけが行くところ? 4月スタート「大学無償化」は吉と出るのか(ビジネス+IT) - Yahoo!ニュース

一部に、日本人の大学進学率は諸外国と比較して高く、誰でも大学に行くようになったから、大学のレベルが下がったと主張する人がいます。私の身近にもいます。しかし、データを見ると、それは思い込みです。日本の大学進学率の低さは、日本人全体の知的レベルの低さと連動している気がします。

世界・大学・短大進学率ランキング - 世界ランキング

これは短大まで入れてしまっているので、単純には比較できませんが、全体として、日本には高等教育を受けていない人が他の国に比べて多いことを示しています。だからこそ、民主主義がわかっていなかったり、誤った情報に騙される人が多いのかもしれません。

Coldplay - Fix You | EASY Piano Tutorial [音楽・楽器]



この曲(2005年のリリース)は、東日本大震災の頃に聴いて、ひとり涙を流していました。当時は、心も体もボロボロでしたからね。

ピアノの話ではないですけど、今朝のバイオリンは、ふだんのしわがれた老人の声のような音ではなく、若い人の肌のようにつるつるとした、新鮮で良い音が出ました。おかげで気分が良くなりました。部屋の湿度は53%、室温は20.5度です。このくらい空気が乾燥しているのよかったのでしょうか。それとも、弓を新しく買ったからでしょうか。あるいは、松脂の付け方のおかげでしょうか。私の腕が上がったわけではないのは確実です。

あと1週間程度で今年度の仕事も終わります。その後は成績をつけたり、シラバスを書いたり、来年度の授業の予習をしたり、あとは、自分のために時間を使ったり、自室の大掃除もしたいし、クルマの整備もしたいです。久しく長距離ドライブに行っていないので、まずは一人で日帰り温泉にでも行ってこようかな。次男の受験が終わったら、家族で一泊旅行にでも行きたいです。犬がいるから、家族旅行はなかなか行けないんですけど、今回は犬と泊まれる所でも探そうかな。でも、お金がないから無理かもしれません。

クルマの話ですけど、何度も言うようですが、左ロアアームを新品にし、セルモーター(中古)を交換してもらったおかげで、車に乗っていて楽しくてしょうがありません。愛着もさらに深まりました。手をかければかけるほど、よくなってくれるというのはいいですね。

教育に関して言うと、ふだんは教えても教えても手応えがない学生ばかり相手にしていますから、たまに私の教えたことをしっかり身につけてくれていることがわかったとき、心から嬉しくなります。数ヶ月前、私がその感情を抱いたときに浮かべる満面の笑顔を学生に指摘され、はたと気づきました。そういうことなんです。人間を喜ばせることというのは。自分がつぎ込んだエネルギーのすべてではなくてもいいので、その一部でも良いから返してくれたときに、人は嬉しくなるのです。ちょっとした親切心を示す行為に対して、「ありがとう」の一言で返してもらえるだけでも、今日一日生きていてよかったと思えるものです。

東日本大震災の後、「私は感謝できる人になりたい」と自己紹介の文章を女子学生がいました。あれ以来、そういうことを書いた学生とはただの一人も巡り合っていません。この状況が意味しているものは何なのでしょうかね。


共通テーマ:音楽

歳を重ねることの悲しみと独り者の悲しみ [雑感・日記・趣味・カルチャー]

'Out of nowhere I felt really sad': readers on how they felt at 47 | Life and style | The Guardian

どこからともなく悲しさというのはやってくるものです。30年近く前、私が大学院生だった頃に、帰りのバスの中で大学院の教授と一緒になり、なぜかシェイクスピアの『リア王』についての話に及びました。そのときに、私は教授に「若い頃の悲しみより、年をとってからの悲しみのほうが深いものだと思います」などと宣ったことがあります。それを思い出すと、いまでも恥ずかしくなります。教授は当時60歳代でしたから、20代の若造のくせに偉そうなことを言うもんだと思われたかもしれません。先生は明らかに苦笑していましたから。

そんな私も今では50代になり、死が近づいてくるのに比例して悲しみが深くなってきています。しかし、同時に、悲しみに対処する方法も身につけてきている気がします。その根本的な対処法というのは、他人とつるむことでもなく、他人のために自分の命を捧げるということでもなく、若い頃から自分のやりたかったことを自己中心的に、利己的にひたすら追求するということです。そして、いままでやったことがなかったことに挑戦するということです。

長男は20歳になり、次男は数ヶ月で15歳になります。子どもたちは二人とももうすぐ独立します。次男も3年後に一人暮らしを始めるのであれば、再び夫婦のみの生活に戻ります。それは悲しいことかもしれませんが、角度を変えてみれば喜びでもあります。

The rise of Japan's 'super solo' culture - BBC Worklife

昔から日本には集団志向ではない人が一定数いて、その人たちが本性を出すことをためらわなくなってきただけなのではないかと思います。私は昔から集団生活が嫌いです。欧米人の目からには、日本人は集団主義的に映るようでしたが、その見方は、日本人は「単一民族」だという見方と同様に、西洋人の誤解なのではないかと私は昔から思っていました。名著『オリエンタリズム』の著者であるエドワード・サイードが述べていることですが、西洋人は、東洋の人間を、自分たちとは違うはずだから、自分たちとは対極であるはずだという先入観を持って、二項対立的に見る傾向があります。西洋が個人主義なら、東洋は集団主義だと一方的に決めつけるのです。その西洋人の勝手なものの見方を、日本人が素直に受け入れてしまったのではないでしょうか。素直というか、単なる思考停止です。

本来、個人主義的な傾向が強かったはずの日本人ですが、西洋人によって作られた鋳型に従うことに疲れ果てた日本の人々は、我々はもともと個人主義的傾向が強いという価値観を否定せず、積極的に受け入れて、ビジネスに繋げるようになってきたのでしょう。その変化を歓迎すべきだと思います。

私の知人には離婚経験者が多く(友達は両手で数えられる程度ですが、5人もいます)、彼らの多くは再婚しましたが、そうではない人もいます。そんな独り者は、旅行に行く際に、宿泊先を見つけるのに苦労するそうです。以前は一人で旅行をする人というのは、死に場所を探してさまよっているのではないかという偏見を持たれることもありました。クレージーな社会だったわけです。社内旅行とか家族旅行で訪れるのが普通の人で、一人で旅をする人は変人だという社会的な意識が崩れてきたことは良いことだと思います。